2011年05月19日
城山稲荷神社(島根県松江市)

城山稲荷神社(じょうざんいなりじんじゃ)
鎮座地 島根県松江市殿町
ご祭神 宇迦之御魂神
誉田別尊
寛永15年(1638)2月、出雲松江18万6千石及び隠岐1万4千石に加増移封され松江藩主となった松平直政公が、藩内の平穏を願って稲荷神社を創建。
ラフカディオ・ハーン著。
新編日本の面影、神々の国の首都の中に城山稲荷神社が書かれています。
どの家の戸口にも、初めて見た人の目を思わず惹きつけてしまうお札が、一枚は貼ってある。そのお札には、縦に並んだ漢字の下に、小さな白狐と黒狐が向かい合って座っている絵がついているからだ。普通なら、狐は口に神道を象徴する鍵をくわえているところだが、この絵の狐は稲穂をくわえている。このお札は、松江城内のお城山にある稲荷大明神のもので、火除けのお守りなのである。(…中略…)この火除けのお守りは、松江の市内だけのものであるらしい。そして、あの稲荷大明神には、次のような伝説が語り継がれている。家康の孫、直政が初めてこの地方の領主として松江にやって来た折、ひとりの美少年が御前にまかり出て、次のように申したという。「私はあなた様をいかなる災厄からもお守りするために、越後にいらっしゃるご父君のお屋敷より、当地へ遣わされました。しかし、身を寄せる場所もございませんので、今は普門院というお寺にお世話になっております。もし城内に私の住まいをお建て下さいますなら、城内はもちろん、城下の家々から江戸のお屋敷まで、火災からお守りいたしましょう。私こそは何を隠しましょう、稲荷真左衛門と申す者でございます。」そう告げるなり、その美少年は忽然と姿を消した。そこで直政は、その少年のために社を建立した。その社は、今も城内で、千体の狐の石像に囲まれている。 …(ラフカディオ・ハーン)
Posted by 狛犬 at 18:00│Comments(0)
│島根県
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